「つくること」の未来を考えました>>Make:conference2012の所感


Make:JAPAN主催の Maker Conference 2012 に行ってきました。去年の夏頃に全く別のことを調べているうちに、fablabのことを知ってパーソナルファブリケーションについて興味を持ち、Makerと職人が製造設備を中心につながるという考え方に共感し、今後の多品種小ロット生産な時代の製造業のヒントになるのではないかと思っていました。

「つくること」の未来をかたり、Makerムーブメントの可能性にふれるというテーマで開催され当日にはMakeな人達が集まっていました。
ハードウェアな人が多くて、僕のようなテキスタイルな印刷業はあまりいないのですが、デジタルファブリケーションが発達してきたここ数年の流れの中で、これからのモノヅクリの方向性の一つの可能性であることを感じました。

Make Conference 2012とは

USのオライリーが作っている、Make:というサイトと雑誌があり、自分自身の手でモノを作り、その成果を多くの人とSHAREをする活動を紹介し応援するメディアです。「Makerムーブメント」は、日本でもFabLabができたり盛り上がってきていて、Makerを取り巻くさまざまな課題をディスカッションするためのカンファレンスとして開催されました。

公式サイト

Make: Japan
「つくること」の未来を語り、Makerムーブメントの可能性にふれる

ハッシュタグ#MCT2012のtogetter

Maker Conference Tokyo 2012 #mct2012 – Togetter

デール・ダハティさん

アメリカからオライリーの創立者の一人で、「Make」のファウンダーのデール・ダハティ)さんも基調講演で来ていました。全世界に拡がるMakerムーブメントについての話を聞きました。 TEDにあるデールさんの動画はMake:についてすごく分かりやすいので、おすすめです。
http://www.ted.com/talks/view/lang/ja//id/1065

世界のMakerムーブメントとオープンソースなものづくりについて

基調講演では、Makerブームの広がりと、なぜ今モノづくりが盛り上がっているのかという話から、SNS時代の全世界がフラットにつながる新しい時代の、オープンソースなハードウェア開発についての話などいろいろな話が聞けました。

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first Apple Computerをみると、革新的な商品も最初は好奇心から湧き出たアイデアを形にしたところから始まっている。

→今のapple製品を見てしまうと自分では作れないと思ってしまうけど、すべて最初から完成されているわけではなく、スタートは手作りから始まっているんだといういい例で紹介されていました。 Untitled
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デールさんの好きなJob’sの言葉

Life can be much broader, once you discover one simple fact, and that is that everything around you that you call life was made up by people that were no smarter than you. And you can change it, you can influence it, you can build your own things that other people can use. Once you learn that, you’ll never be the same again
単純な事に気づけば、人生はもっと広がりのあるものになりうる。それは、あなたが人生と呼ぶ物を囲んでいる物は、あなたより賢くなんて全くない人々によって作られているということだ。そして、あなたはそれを変え、影響を与えることができ、あなたにも多くの人が使うようなものを作ることはできる、ということだ。一度そのことを知れば、人生というものは全く違ったものになる。

誰もが自分の価値を低く見ていて、実は自分次第でどんなことでもチャレンジすれば新しい道は開ける。なにもやらないより新しいことや興味のあることにはどんどん挑戦し、つくっていったほうが人生たのしくなるというこのJobsの言葉を知ってから好きな言葉になっている。

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You can make almost anything 自分の手で作れない物は(ほとんど)ない。

今はデジタルファブリケーションが発達してきた.アイデアと行動力があれば、何でも作ることはできると考えることが大切。
実際に勉強して、工作器具さえあれば、誰でも何でも作れるような世の中になりつつある。

社会の人みんなが自分を消費者じゃなくてmaker、つまり自ら作る人、と考え始めること。子供の時からそんな意識を持つ人が増えれば、社会は変わると思う。

大量消費社会になったために、世の中のモノづくりが分業制になってしまい、作る人、売る人、買う人と別れてしまった。
そのために新しい考え方ができなくなってしまっている。すべての人が自分の中につくる人になるイメージをもって考えることで、もっと面白い社会になるのではないかと思う。

Makerが増えてきたときに大切になってくるのは、Professional engineerは拒否するのではなく、新しいMakerを受け入れることで、新しい発想がうまれる

Professional engineerは今の仕事を変える必要は全く無くて、新しい切り口で考える新しいMaker達の自由な発想にヒントを感じて自分の仕事に活かしていけば、固定化された秩序がくずれ新しい価値観がうまれる

日本でも職人をmaker movementに巻き込みたい。

東京でも町工場があり、そこには素晴らしい職人がいる。ただ職人は素晴らしい技術をもっているだけで、それを公開しシェアしようとしないので、埋もれてしまって技術継承ができていかない。そんな職人をMAPにして新しいMaker達と交流出来れば面白いことが起こるのではないか

モノづくりできる環境をつくる

アメリカでもMake Faireに行って参加して目の輝いた子供達が帰ってもなかなか作る環境がない。そこで、Makerspaceは学校を利用してなるべくローコストに子供達に工作体験できる場所を作らないといけない。FabLabはその活動をになっている。

自分なりに思ったこと

インターネットの普及でいろいろな情報が瞬時に手に入るようになった反面で、暗黙知化されている職人の技術などは継承されない様になっています。そこにデジタルファブリケーションの流れが来たときにこれからどうなるかについてすごく考えました。

自分の会社でも、今までシルクスクリーン印刷で大量生産していたものがデジタル染色プリンターのおかげで少量生産が可能になりました。オンデマンド印刷=少ロット生産と考えると、コストばかりかかってしまうイメージになりますが、プロトタイプが簡単に作れて必要な分だけ変量生産できる事に考え方を変えることが大切だなと思いました。

また、自分の会社の機械から生み出される商品についても、自分達だけの考えではなく、fablabのようにクリエイターやMakerな人たちと印刷機を中心に交流することで、自分の思いも寄らない商品や技術ができてくるのかもしれません。

個人的に売って新商品開発をする側としては、工場内を隠すよりOPEN Factoryにして外からのアイデアを入れていくほうがデメリットよりメリットが有るように思うのですが、このあたりは会社でもきちんと考えて行くことは大切なように思います。

岐阜の大垣のflaboの小林さんにも会えたので、近いうちに大垣のソフトピアにあるflaboに会いに行きたいなと思います。

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