普遍的で基本的なマーケティング論を学べる1冊”12人の漁師たちを優秀なマーケターにする方法”


この本はいわゆるタイトル買いをした1冊です。 

本書の中でも書いてあるように、売るためのマーケティングを意識したタイトルなので、中身との関連性が薄いため、内容をつかむのに違和感がありました。ここまで具体的タイトルをかいて中身とずれていると少々戸惑います。とはいえ、内容的には企業のマーケティングの本質をいくものであり、面白い一冊だと思います。

12人の漁師たちを優秀なマーケターにする方法

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ブルースバートンと言う人物とタイトルの関係

世界有数の広告会社BBDOをつくったブルースバートンのマーケティングの考え方をまとめた一冊です。また「12人の漁師たちを優秀なマーケターにする方法」というタイトルはバートンがイエス・キリストをマーケティング会社の概念から読み取って書いた1925年発行の「だれも知らない男」という本の中で、イエス・キリストがキリスト教を布教するのに自分が広めるだけでなく、12人の使徒を自分の意思を伝えるマーケターとして布教したことが成功の秘訣だと書いたことをそのままタイトルにしています。

そしてこの本の中で書かれているのは、会社なり自社サービスや商品の広告宣伝戦略について7つの柱でまとめられています。その全ては奇を衒ったものではなく本当に大切な事をまとめて書いてあります。1920年代の広告マンが書いた内容でも今の時代にフィットする部分がかなり多くありました。

ビジネスの新しい面を人に伝え、継続的に寓話と共に伝える事が宣伝

自分の仕事の新しい側面や新商品などの情報黙っていれば全く伝わらず、そのまま売上も上がりません。大切なのは自分の仕事をどのように展開できたり、付加価値を付けられるかをしっかりと伝えることだとあります。また、宣伝は決してやめてはならず、継続していくことこそが最重要だとあります。また、自社の商品やサービスをほんとうに愛することで、やっとお客さんの心に届き、売れていく商品が生まれるということです。

返報性の法則ー汝自身を与えよ

なにかを受け取ることを期待するのであれば、自分自身の知識や経験またはその他のどんなものでも相手に与える態度があってこそ、相手もこちらを信用し、何かしらの形をとってお返ししようと思ってくれます。

またあえて自分の弱さや商品のデメリットなども率直に話す事の重要性にも触れられています。すべての前提を晒すことで消費者は初めて対象のものを信用し購入へ至ります。

自分の武器を磨き、その業界の「神」になれ

自分や自社商品などの強みを徹底的に磨くことが一番効果的かつ正しい方法であると書かれています。広告のコピー文を書くときにも何度も何度も書きなおし、削ったり加えたり推敲し、上がってきた最後のものが最高の作品になるので、最後まで魂を込めてつくることが重要だと書かれています。

また自分のいる分野の中で一流を目指し、それを認められることもとても重要で、そのために本書の中では得意分野についての本の執筆などがいいと書いてあります。今の時代であれば、ブログやSNSなどをつかうことで、昔以上にチャレンジできるようになっているのかなと思いました。

個人的感想

インターネットが普及している今とこの本が書かれた1920年代では全てのスピード感やインターネットを使った発信力は全く別次元のものになっています。

そんななかでも、この本に書かれているのは手段ではなく、ビジネスをしていき、お客さんから信用を得てビジネスを広げていく根幹の部分についてなので、意外と古さは感じません。

個人的にこのタイトルに付いては微妙な感じを受けましたが、結果としてはとても参考になる一冊でした。

仕事で売上を上げるためにやる一番重要なことは自分の仕事を磨き、その情報を発信して、絶対に辞めない。という至極シンプルなことだけだなと思いました。

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