[サイボウズ超会議第二回]サイボウズの考える直販とパートナー販売戦略

[サイボウズ超会議第二回]サイボウズの考える直販とパートナー販売戦略


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サイボウズさんでやっているサイボウズ超会議にお誘いいただいたのでいそいそと遊びにいってきました。

サイボウズ超会議Facebookページ

社長の青野さんは初めてお会いしたんですが、すごく魅力的な話し方とロジカルな考え方ですごく面白い話でした。

最近思うのは、自分の領域のイベントより違う分野のイベントに参加した方がいいろいろ面白いし参考になることも多いなと思っています。今回はBtoBにおけるパートナー戦略ということで、直販とパートナーモデルを展開しているサイボウズさんがどんなふうにバランスを取りながら商品を売っているのか、自分のいる印刷業でもいろいろ参考になるところが多かったです。

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コンセプトは曖昧なので切り分けて具体化する

コンセプトは時に曖昧で居心地よく聞こえてしまいます。
なので、コンセプトは「誰?」に「何の価値を届ける?」かを分けて考えていくのが重要です。
Concept=Target+Value
ターゲットとバリューをセットにして定義する事が重要で決して曖昧にしない。これは社内に対しても徹底しているということです。

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最初は少人数で売るために、マスに対してバズる直販モデルからはじめる

販路については最初は地方の三人の会社が作っているソフトなんて誰も相手してくれないし、ましてやパートナーになってくれるなんて事もなかったと振り返っていました。そして三人しかいないので、物理的にも動ける範囲は小さいのでネットのマスに対しての広告戦略をしていたそうです。

ターゲットを明確に決めた

サイボウズは社内の部署レベルで使えるグループウェアとして開発しているので、
Concept=Target+Valueにそっていくと
コンセプトは、部署のリーダーやプロジェクトリーダーが自分達が使いやすいグループウェア
ということになります

これが決まれば自ずといろいろな事が落とし込まれていきます。
価格ーーー大企業ではほぼ規定となっている、20万以下の自分たちで決済できる金額
システムーーーシステムの専門家でなくてもできるぐらいの簡単さ
お試し期間ーーー1ヶ月で自分たちでテストして1ヶ月で上司を説得できるくらいの2ヶ月という長さ
ホームページの充実ーーー説明資料や社内を説得できるような事例を含めサイトを見れば解決できるレベルまでじゅうじつさせる

少ない予算で最大限の広告をうつ

広告予算が少ないので、メール五行広告からスタートした。
五行というのは本当に短く、どうしても言葉で説明してしまうが、それでは全く見てもらえない事がわかった。だから、意味不明だけど見ざるを得ないような、変わった広告や手法をどんどん考えて実践していった。

・意味深な5行広告
・青く目立つためリンク先アドレスだけのせる5行広告
・全く関係ないうな丼にからめてうなぎのぼりになるという広告にあわせて当時大人気だったVaioをプレゼントする企画した5行広告
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アメコミ風のキャラクターをつくる

お客さんに目立つ案を広告代理店と考えていて提案が上がってきたのが
ボウズマンでした。
これだけ異彩を放っていました。
でもターゲットとなるひとはきっとアメコミが好きだし、これを見た時に目が必ずとまるので、アメコミ風キャラクターを作った。
これはパソコン雑誌の中でもかなり目立って成功した。
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売上の頭打ちと次の展開を考える踊り場

斬新な広告で、堅調に売上があがって、4年で上場したところで売上の踊り場を迎えた。
ターゲットとなるお客さんにある程度一巡して導入されたことになる。

中・大企業向けの新しい商品ガルーンを投入する

新しいマーケティング手法を試しつつ、新しいターゲットに向けてサイボウズガルーンを発売した。
最初の誰も相手してくれない田舎の小さい会社から売上も増えたので、このタイミングでは
中・大企業の情報システム部門どまんなかのターゲットにチャレンジすることになった。

パートナー戦略を考える

Targetが中・大企業のシステム担当者になると、お客さんと強いつながりをもっているパートナー販売することが必要になってきたので、SIerさんが売りやすい体制と価格を決めていった。

そうすると今までの商品の価格が倍になるが、それでも売れるようにするためにコンセプトを立てて
販売パートナーさんはそれぞれの会社によって強い分野やお客さんの業種が違う。
パートナーさんを徐々に増やしていく事を考えた。
そしてパートナー企業が増えていったらもう一度売上が綺麗に上がっていった。
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パートナーさんの美味しい部分をのこせるか

パートナーさんの美味しい部分を残せるかどうかが重要。
サイボウズの商品代よりもお客さんが望んでいるサポートやサーバー導入費などの方が大きいので、
パートナーさんはいい商品でお客さんが喜ぶものは扱ってくれるので、その社内の運用の流れ全てにアプローチする必要がある。
そのためにパートナー営業職という職種を作った。

これから先のクラウド時代のパートナー戦略はどうなるか?

パートナー営業のあり方は変わるのか?
いままでパートナー企業にとって美味しい部分だった、クラウドになればパートナーの売上が下がってくる
そのためパートナーからも批判されたこともある。

パートナーに文句をいわれても自社の意見を通す強い意志を持つ

クラウド化することでビジネスモデルが変わってくる。
サイボウズも批判されたりしたが、このままクラウドに進まないと時代遅れで取り残されてしまう。
パートナーの意見ばかり聞いて、将来をつぶしてはいけない。
こういう時には、自分たちの意見を通すための強い意志をもつ事も重要になる。

売れる商品やサービスは売ってもらえる

結局、クラウドが売れてくると、パートナーさんはまた売ってくれるようになる。
「売れるものは何でもうってくれる」「売れるものを売りたい」ということは変わらない。

サイボウズが目指すパートナーのこれから

販売パートナーと協業することはビジネスを大きく拡大できる可能性がある。
難易度は高いが、やりがいもある仕事である。
MicroSoftのやっているグローバルなパートナーシップのようなことをやっていきたい。

サイボウズ青野社長とプラス伊藤さんの対談

対談はプラスの伊藤さんがファシリテーションでした。対談ってリズムが大切だと思うんですが、伊藤さんのファシリテーションはさすがだなとおもいました。相手の話したいことをやお客さんのことをうまく聞き出す質問力がすごいなと思いました。

プレゼンの中では触れられないオフトークもでてきて本当に楽しい時間でした。

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広告費について

毎月100万円でどのように効率的に1億円の価値にするかをずっと考えに考えていた。
この広告費がなくなる時に売上が上がっていなければ潰れる覚悟だった

それでも3人で営業したとしても数件しか回れず日本全国は相手にできないので、広告を出してますマーケットに訴求すること以外にはかんがえていなかったの。

無視される広告が一番怖い

効率的にやろうとした時に、広告の中でスルーされてしまうのが一番怖い。
広告費がどんどんなくなっていくことを考えると、少しでも話題になる表現を考えた。
「無名より悪名」という言葉があるが、無視されるくらいなら覚えておいてもらったほうがいい。
高いお金を払って、きぐるみをつくってボウズマンになったまま取材したりして徐々に知名度を上げていった。
自由すぎる広告クリエイティブもその中のひとつ
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広告の計測はどんなものでもきちんと実測した

どんなに変なキャンペーンでもURLをかえて結果がどうなったかは追っていた。
メディアごと。戦略ごと。うまくいく法則をつかむためには必ず必要なことだった。

一番大事なのはコンセプト=ターゲット✕バリュー

どこまでいっても、どんな販売戦略をとっても、マーケティングポイントは外してはいけない。
パートナー戦略も商品戦略もすべてはコンセプトとターゲットとバリューを決めていないといけない。

直販とパートナーシップのバランスをとっていく

直販だけでもいけないし、パートナーだけでも行けない。
ヤマザキパンは直販とパートナー両方をもつことで競争優位にたてたり、不安定になった時のも対策が取れる
この一年ではなく10年先を考えた戦略を進めていくことが重要だと考えている。

BtoB戦略はWEBだけのものではない

今回聞いた話は決してWEBだけの話ではなく、僕がいる印刷業にも当てはめて考えることができるなと思いました。
・お客さんの売上が上がる商品やサービスを提供する
・だれにどんな価値を届けるかをきちんと考えて分析する
・販売方法に対する値段の付け方。
・パートナー戦略だけでない販売方法を分散させるメリット
ここあたりももっと考えていきたいなと思いました。

サイボウズつかってみたいとおもいました。

ちょうど今工場のグループウェアを見たりしていたんですが、メール環境がGoogleAppsなのでどういうふうに運用しようかなとも思っていたので、ちょっといろいろ考えてみたいなと思います。サイボウズLiveも無料でこれだけ使えるのはどんなふうに考えているのかな?とおもっていたんですが、今回の話をきいていて、もう一つ先のステージではサイボウズLiveが重要な場所になってくるのを見越しての投資何だなと思いました。

これからのサイボウズも楽しそうです。

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