中小企業こそオープンイノベーションが大切になる時 #MakerConTokyo 2015
MakerConTokyo2015が日本科学未来館で行われました。
MakerConはMakerFaireを受けて、Makerムーブメントに対して企業がどう付き合っていくか?について考えるイベントです。
Makerムーブメントみたいなものが始まって本当にそれから起こるビジネスが起こって、大企業までがオープンイノベーションという流れの中で毎週ハッカソンが行われたりする中で、コミュニティ運営や知財活用、企業の事例を踏まえた課題や問題提起を話し合ったりすごく有意義な時間でした。
その中で中小企業のオープンのイノベーションの事例でプレゼンさせてもらいました。
つながる印刷工場に向けた工場のAPI化とOPEN戦略のこれから
ずっと忘れてたんですが、2012年にMakerCon2012年に参加していたブログを書いていて、当時はまだMakerムーブメントや3Dプリンターなども今ほど広がっていなくて、個人的に製造業の5年後10年後に起こる前触れみたいなのを感じた節目のイベントだったと思います。
今は毎週のようにハッカソンやメイカソンがイベントで立っていてさながらハッカソンバブルの世の中です。しかもそれをやっているのはほとんど大手企業だったりします。
僕自身が中小企業の立場でIAMASのアイデアソンやハッカソンに参加してみると、布の印刷工場をしている会社とすると自社工場が、外部といろいろつながる接点を増やしたり、インターネットでつながる仕組みを作っていったら面白くなるんじゃないかと考えたのがちょうど2012年だった気がします。
そこから、実際にクリエイターの方とつながる店舗「HappyPrinters」をOPENしたり、多品種適量生産を可能にする印刷業向けの製造管理システム「FactoryGateWay」をつくって、ScanSnapのカスタムやモバイルバッテリーのカスタムをしていて、いよいよ1mからテキスタイルを作って買える「HappyFabric」をはじめることができました。
といっても、なにか特別な事が必要なわけではなくて、やりたいことをやりたいって言い続けていて、OPENに楽しく仕事するってのがいいんじゃないかなと思っています。
だからいろいろな仕事の製造業がもっともっとインターネットとかで繋がって新しいモノや仕事が生まれると楽しいなと思っています。
オープンイノベーション
企業にとっていろいろなオープンの形があって、オープンにする考え方があると思います。会場にあったOpenな切り口のイラストがすごく分かりやすく概念化されていました。
- OpenAPI・・・工場にAPIをつけて外に開く
- Open ClubRoom・・・企業の内外に開いた工房でネットワークをつくる
- Open Source・・・オープンソースにすることで自分たちだけでは出来ない事を実現する
- Open Channel・・・少量で多種なプロダクトを可能にするためのチャンネルを開く
OpenAPI・・・工場にAPIをつけて外に開く
そもそも製造業は機能が絞られていて、いろいろな工場とつながることでいろいろな最終製品が生み出されています。そしていままでは車メーカーや家電メーカー、アパレルブランドなどが企画してデザインして製造指示をだし、それぞれの工場が下請けという中でサプライチェーンを気づいていました。
その中で新しいモノづくりがはじまるときに実際に製造をしている企業がインターネットでは見つからない状態の中で、いかに工場が自分たちのできるものを、外部の人がつながりやすくできるかをきちんと考えてつながる仕組み=APIとして持っておくことが大切だなと感じています。
ソニーのクリエイティブラウンジにみるOpen ClubRoom
今回ソニーのクリエイティブラウンジの田中さんの事例の話のような、企業内工房はこれからも増えてくるんだと思います。大企業の中だからこそ起きうる問題やそれに対する対応の方法など、グレーゾーンという言葉が使われていましたが、グレーも何も事例のない所を進んでいく苦労があるんだろうなと思いました。
そんな中で品モノラボというクラブ活動がゆるくも強くまとまっているのをみるとすごいなと思います。
exiiのHackBerryにみるOpen Source
3Dプリンターでつくる義手プロジェクトのexiiiのHACKberryやこれから一部開放するFUNIKIメガネの間チルダさんが、シティライツ法律事務所さんとのセッションでハードウェアにおいてのOpenSource戦略について話してくれました。
義手製作のexiiiさんはメンバー3人で運営しており、自分たちだけではやれることが限られてしまうためにOpenSorceにして使う人達が使いやすいように改変可能にしつつも、自分たちのプロジェクトに制限されることがないような権利コントロールについては、シティライツ法律事務所さんと最初から相談して決めたようです。
このセッションの内容は商品の特徴や個性に応じて柔軟に考えながらも、まだ事例が少ないこともあって、時間が立つに連れて成功事例などが出てくるんだろうなと思います。
OpenChannel
少量で多種なプロダクトを可能にするためのチャンネルを開く事については、半導体商社のマクニカさんの Mpression for MAKERSを始めとしてNordic Semiconductorが、IoTなどに不可欠なセンサー類の提供を可能にする仕組みを構築している話を聞きました。
今までは大手しか出来なかったセンサー類が試作から量産までの一連の流れをサポートするような仕組みが整いつつあるのがすごいなと感じます。
混沌とした中で空白地帯にルールを作る人達
ほかにも今年4月にOPENするTechShopTokyoの現状も聞くことができました。
現在工事中のようで、近々ホームページがOPENしたり年明けくらいから少しづつ状況が見えてくるようですごく楽しみです。
MakerConは現在進行形の企業内の取り組みの話なども多く、表に出しづらい事もおおく、懇親会がやたら盛り上がりました。
一日セッションでインプットして、懇親会で直接話しを聞けたり、すこし込み入った内容への質問などができるという意味ではすごく有意義な懇親会だなと思いました。とりあえず楽しく飲んで食べたので写真は一切ありません。
そしてオライリーさんのイベントのTシャツはいつも印刷がすごく綺麗で集めてしまいます。
MakerConTOkyo2015〜オープンイノベーション
2015年11月7日:日本科学未来館
MakerCon Tokyo 2015 | Make: Japan
MakerFaire Tokyo2016は8月6日7日ですよ
最後に突然オライリーさんから来年のMakerFairTokyoの日程の発表もありました!
来年も夏休みど真ん中。アツい中での開催ですね。
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