はじめてのインターン!準備したこととやってみた結果・・・
最近、いろいろな方面からインターンの受入のお誘いを受ける様になりました。これまで新卒採用はしたこともなかったのですが、最近インターンはよく話題になることも多く、興味は持っていたのですが、どちらかというと「なぜ企業が無償だったり安価で学生を働かせているのだろうか?」「そしてそれはいいのだろうか?」という興味関心からでした。
大企業やスタートアップではかなり聞き、すこし香ばしいニュースもあったりするので、せっかくなら今年は「はじめてのインターン年間」として大学生のサマーインターンシップの受け入れをしてみました。
来年以降もうけいれるかは別として自分の備忘録としても残しておきたいと思います。
出来上がった結果はこちら
そもそもインターンとは就業体験である
インターンシップについては、最近いろいろ賛否ありますが、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の基本的考え方によると「学生が在学中にみずからの先行、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」ということのようです。
あくまで「就業体験」であって「労働体験」ではないのがポイントのようです。
今回は大学主催のものと、愛知県主催のもとでインターンなどのプロのG-netさんのインターンシップを受け入れることになったのですが、G-netさんの企業説明会に行って話を聞いた所、いろいろ問題がある場合は「就業体験」を「労働体験」と履き違えることで起こること多そうな印象でした。
ではなぜ企業が受け入れるんだろうか。。。
働く形態がいくつかあるとすると、アルバイトなら収入が見返りで、ボランティアであれば社会貢献ができることであり、今回のインターンであれば見返りは学生に「就業体験による将来のキャリア」の役に立つ成長を感じてもらえるかが重要になりそうです。
であれば受け入れる企業は仕事の負荷にもなるし、そもそもなぜみんな受け入れるのだろうか?とはおもっていました。
そして今回受け入れてみてうまくインターンを受け入れられたら企業側にもすごくメリットがあることを感じました。
インターン受け入れの準備
今回G−netさんでおこなってもらった受入企業の研修も踏まえて受け入れの準備をしました。主にやったのは下記の点でした。
インターンシップの内容と時間割をかんがえる
- 社内の人にインターンへの理解を徹底する→受入体制をつくる
- インターンに対する基本認識を持つ→労働でなく学習
- まず具体的なゴールを設定する→これ超重要
- ゴールに対するプロセスを明確にする→迷子にならないように
- ざっくりとした時間割を考える→あとから変更・調整前提
やはり業務時間内に大学生の対応をする以上、会社にとってもなにか有意義なゴールを見つけなければ意味がないと思っています。そしてその結果はおそらく完成した成果以外の何かが企業に対してメリットを感じるものを残せないといけないと意識して準備しました。
G-netさんによると一番多いズレの多くが、経営者や担当者は受入れに理解を示していても実際の現場に伝わっておらず学生が居心地悪くいい結果がでないことが多いようです。たしかに!ということで現場のリーダーやメンバーにも事前に「こういう学生がきて、こういうゴールでこういう事を起こるから優しく対応してね」という徹底をしました。結果この1点がかなり重要だと後から気づきました。
また労働ではないので、単純作業やこちらの都合いいものを作業させることのないように意識しつつ内容を決めていきました。
一番重要だと思ったのは、明確なゴールを決めることです。ゴールさえ決まっていれば完成度などは一旦おいておいて、プログラムが暴れることはありませんでした。そしてゴールが明確になれば、受入日数で進行を管理していけばいいので、もはやプロジェクト管理の世界です。今回は一日を3コマに設定して緩めのスケジュールを引きました。
そして参加する学生が「どのレベル」で「どんなスキル」を持っていて「どれくらい自主的に動けるか」によってスケジュールとゴールの高さを調整・変更する作業を行いました。
受け入れる心がまえと留意事項
- 安全や災害補償について考えておく。インターンシップ総合保険
- あまり期待しすぎない
- 絶対にやってはいけないことを伝える
- 絶対にやってほしいことを伝える
普段お客さんとNDAを結んだ仕事をすることも多いので、インターン受け入れの際には大学や受入企業の誓約書などをチェックしておきます。
また今回は工場での実作業などは無かったのですが、労働ではなく就業体験ということで労災などの対象ではないため、最近ではインターンシップの総合保険もあると聞きました、数千円で入れるので、派遣先での準備がなければ自主的に入るのもいいなと思いました。 (参考:インターンシップ総合保険|三井住友海上)
また学生のレベルもいろいろあるので、過度な期待をしすぎてもお互いが不幸に成ると思います。「そこそこいい人がきてくれるといいな」くらいの心もちをもっているとお互いがHappyになれるとおもいます。でも自主参加のインターンシップは意欲は高いので、数日でもかなりレベルアップしていくのがわかるので、今回はHappyな方向に進みました。
そして受け入れる前や初日に学生の意欲とどれくらいまで放置するか、途中サポートするかを見極めようと意識しました。ある程度自主的に動けてスキルが足りていれば、途中途中チェックをはさみながら軌道修正していけば大丈夫だし、不安そうであればかなり密着していかないといけません。
そして普段お客さんとのNDAやその他の機密事項などもあるので、「SNSでの禁止事項」については何度も話しました。またその逆でこれだけはやってほしいということも明確に伝えました。一応日報は毎日送ってもらいました。
企業側も学生から試されている
今回受け入れてみて一番感じたのは、インターンは「学生を受け入れる」のではなくて「学生から企業をチェックしてもらう」ということです。
今回は社内のメンバーにインタビューをしてもらい、そのフィードバックをもらったのですが、第三者の学生が社員から聞いた結果は多少のバイアスがあるにしろかなり素直な意見が戻ってきます。「学生に教えてあげる」というスタンスではなく「学生から社内の雰囲気をみてもらう」というのが正解なような気がしています。
そしてインターン生がやってきた
そしてインターンが始まりました。
今回のゴールは「会社の良さや特徴がわかる記事を作る」ことでした。その為に4日間の時間割をざっくり決めました。そして全く会社のことを知らない中でゴールにはたどり着きづらいので、よくあるフレームワークをベースにして会社を理解してもらいそこからターゲットとストーリーを1日半で組み立てておいてのこりは社内を回ってインタビューしてもらいました。
ということで完成したのがこの記事です。
完成した成果物を社内でフィードバック
ということで完成したものを社内のメンバーの前で発表してもらいました。
ギリギリまで原稿を詰めていたので、発表準備や話す順番なども直前まで追い込んでいて緊張がつたわります。
出荷荷物も多くて、印刷の現場の人で参加できない人もいる中でかなり多くのメンバーが集まりました。みんな自分がインタビューもされているとあって、どんな結果になるのか楽しみで集まっていました。
発表中も色んな話で笑いが起こったり、驚きがあったりと自分たちの会社でも他部署や多工程のことなど言葉はわかっていても案外知らないことも多くてもりあがり、最終的に拍手喝采で終えることができました。
とてもすてきな発表でした。
サプライズのフィードバックで役員プレゼン
社員のみんなの発表とは別で、サプライズで役員プレゼンをしてくれました。
ずばり、社員みんなから聞いた生の意見を経営陣にフィードバックという背筋の凍りそうなものです。プレゼンや記事の中では触れられないような、自社の強みや弱みをフレームワークに落とし込んでいるので、その結果を話してもらいました。
普段、納期も短かったり単純作業なども多くて、負荷のかかるきつい仕事も多い中で、なるべく会社の雰囲気を良くしたいとおもっている中で好意的な社内の意見を率直に第三者としてフィードバックしてもらえて役員一同とてもうれしい表情を浮かべていました。
インターンを受け入れることは企業にとってもメリットはとても大きいのかもしれない
普段はなかなか思っていても言えないこと、会社に対して思っていること。そういった声を学生を通じて聞くことができたという意味でとてもいいインターンシップ体験を受けることができました。
インターンの時間をお金で計算するのはナンセンスですが、企業としても時間を使っているために費用対効果が気になる所でもあり、受け入れた担当者としても重要な点です。
3人が8時間で4日間合計128時間。
インターンでなくアルバイトとして時給千円でこの記事を提供してもらったとすると12万8000円。結果の記事だけならこの金額の対価としては合わないかもしれませんが、受け入れる企業からすると、社内に新しい風が入り、社内の雰囲気が変えられる意味ではとても素晴らしい結果となりました。
とても素晴らしい学生さんだったので、来年の就職活動ではいい結果が出るといいなと思いつつ、インターンの経験がいかせているといいなと思います。
受入も大変だけど、うまくいけばとても素晴らしい制度になると思うプログラムでした。